『忍法忠臣蔵』山田風太郎

忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2) (講談社文庫)

忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2) (講談社文庫)

おもしろかった、の一言で終わるのが一番正しい気がする。余計な文言は、不要というか。
今回は、割と滅びの美学というか、物悲しさに満ちていた。もとより忍法は外道の法であり、哀切の感は付いて離れないものではあるけれど、特にそれを強く感じさせるものであったと思う。忠臣蔵、という題材がそもそもそうした色合いを帯びたものであるからだろうか。
ゲーム性、という意味では、今回の主役、無明綱太郎が割に万能で且つ積極的に事態に関わっていかない所為か、少し緊張感に欠けるきらいがあった。でもまあ、それも他の風太郎作品と比べればの話。十分に楽しかった。
評価:B