お祭りに参加

2005年ラノリン杯(試験用)
大して量読んでない俺が投票していいのか、と思いつつ。


ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

俺が投票しなくとも、とも思ったが。クオリティの高さが他を圧倒し過ぎ。


サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

大変に青臭いがそこが好い。終わり方が切ないとか言ってるやつはもう1回読み直した方が良いと思う。


完結記念。というわけでもないが。人には勧めないが俺は好き。大好き。


犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)

ヨネポは入れたいと思ったが順番は読んでいないため、という微妙に政治的な判断に因る。傑作であることに疑いはないが、ライトノベルかというと際どい気は。


むしろ、「拝啓、光の勇者様」の一点押し。この頃、黒さを増してきている*1成田作品の極北。結局は日和ってるのが難だが。




次点としては桜庭『少女には〜』*2とか長谷『円環少女*3、あとは田代『骸惚其四』*4あたり。シリーズものは基本、点が辛くなってるのは致し方ないところ。

*1:というよりは、隠さなくなってきているという方が正解に近そう

*2:やってることは砂糖菓子と同じなので見送り

*3:よく出来ていると思うが琴線には触れず

*4:おもしろいけど、ただのミステリー以上でなく決め手に欠ける

『少女には向かない職業』桜庭一樹

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

少女には向かない職業 (ミステリ・フロンティア)

びっくりするくらいすぐに読めて、びっくりした。


中学二年生の1年間で、あたし、大西葵十三歳は、人をふたり殺した。
夏休みにひとり。それと、冬休みにもうひとり。
武器はひとつめのときは悪意で、もうひとつめのときはバトルアックスだった――。


あらゆる意味で『砂糖菓子』と相似形をなす作品で、受ける印象から道具立てまでほとんど一緒。小説として洗練されている分、剥き出しの凶器そのものだった前作よりも衝撃度は低いだろうか。
ひとつには、前作で極まりに極まりきっていた痛々しすぎる比喩の数々が鳴りをひそめていること。もうひとつは、前作ではあくまで傍観者でしかなかった主人公が、今回は当事者として物語に参加していること。そして、もっとも大きな点は、海野藻屑が最も居て欲しいときに山田なぎさはおらず、宮乃下静香が最も傍に居て欲しいときに大西葵は居たということ。
そうした諸々が、前作のどうしようもならなさと比して救いを錯覚させてくれる分、今回は読んでて楽。もちろん、どっちがいいという話ではなくて。好みというより描きたいことの違いでしかないだろうし。
ところで、Gyaoでドラマが始まっているそうで。ちっと見てみたい気もするし、イメージが壊されそうで見たくない気もする。まあ、習慣的にドラマを見るって苦手だから、見たとしても続かないだろうけど。

『ミッションスクール』田中哲弥

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

最高傑作級〜〜〜っ!!*1
まさかのやみなべ復刊*2から、まさかまさかの新作発表。
発売日に店頭で発見したときはいやまさかそんなことはなどとぶつぶつ呟きながら、ああそういえば今日は久しぶりの晴れ間だからなあ光の加減で見間違えたかなあよし目を瞑ってからもう一度見てみよう、せえのと思って目を瞑ってもう一度見てみたがやっぱり変わらずそこにあるので目が悪いんじゃないのかだったら頭かあそれは困るなあ大変だなあでも何も分からないのもそれはそれで幸せかもなあと哲学的思考に思いを馳せたところでレジの人に「693円になります」と言われたのでお釣りの307円を受け取って店を出た。屋内なんだから光の加減も何もなかろうに。
帰ってから早速読む。ところでどんな話かさっぱりわからずに買ってきたので、さてどんなものかと裏表紙を読んでみるとどうやらスパイものらしい。それだけじゃなくホラー、ファンタジイ、アメコミ、純愛ロマンでもあるらしい。なんと複雑な、詰め込む要素が少し多すぎるんじゃないかなあと思ったがそんなはずもなくただ単に短篇集であった。当たり前だ。
基本的に各篇は独立していて、学園を舞台にしているという以外は共通点はない。ああ、あとそれと可愛い女の子が出て来るけど、それは共通点ってほどではない気がする、するのだがやっぱりそれは重要なことに思うのでもういっかい言う。脚の綺麗な可愛い女の子が出ています。いや脚が綺麗なのは大久保町の方か、でも脚の汚い可愛い女の子は想像できないしなあ、いやもしかしたらいるのかもしれないけど、可愛い女の子は脚が綺麗って言ってもいいような気がするよなあ違うかなあ違くないよなあよし言ってしまえ。脚の綺麗な女の子が全篇に渡って活躍していてそれはもう幸せな気分です。
話としては、男の子が可愛い女の子と出会ったり幼馴染だったりしていろんなことがあって大変な目に遭うんだけど最後にはハッピーエンドでまあよかったなあ、うんうん。といういつもの感じなんだけど、いつもにましてハチャメチャで整合性とか気になる人は気になるんだろうなあ、とは思ったりした。たとえるならラファティに新喜劇を延々と見せてトリップさせた感じ、という評を思い付いたけど、ラファティ大して読んでないのでこの評が正しいのかちょっとわからない。
実は構造はやみなべと同じく最後の「スクーリング・インフェルノ」でまあ無理矢理というか、とりあえずというか、なんとなくまとめてみましたという、そんな感じなのだがやみなべ以上に緩い纏め方で、でもまあ、語り口がいちばんの魅力なのでげらげら笑いながら読むといいと思います。でも、最後にはちょっと切なくなったりもして。


ともかく、傑作なので買って読むように。なにせ傑作です、傑作。世間ではハルヒかもしれないけど、放っといても売れるハルヒより、放っといたら絶版になりそうなミッションスクールを買うべきだと思いませんか。なにもここまで傑作を連発しなくてもいいかもしれないけど、そもそも読む人少なそうだから褒め殺しでもいいじゃあないか。というわけで、傑作です、傑作。

*1:一度、やってみたかったw

*2:ていうか、古本でやっと入手してすぐに復刊決定ってどんないやがらせだこのあほぼけおたんこなすぅと毒づいたところでもう遅いのでした。

ライトノベル読み同士で馴れ合うための20の質問

なんとなく、久しぶりに更新してみる。既に時機を逸している気もしますが、こういう自慰行為大好きなもので。


ライトノベル読み同士で馴れ合うための20の質問 - WINDBIRD


1.ライトノベルを読みはじめたきっかけは?(最初に買ったライトノベルも併せて)
ご多分に漏れず、アニメの影響。買ったのは『アトラスの魔道士』。そう、あの頃はアニメとは全て原作に忠実なものだと信じて疑っていなかったのでした。アニメで一巻ぶんやったんだから、なら二巻から読めばよかんべえ、という思考過程ですね。実に迂闊。
そんな私は、アニメにランツ君が出なかったことを大変残念に思ったものでした。まあ、これは余談。

2.「ライトノベル」という呼称は好き?(嫌いなら好きな呼称を挙げてください)
物心付いたときから人口に膾炙し過ぎていて、疑問を差し挟むというふうな考えに辿りつけません。

3.誰かに薦めるならこれ、というライトノベルを一冊
人による、というのは卑怯でしょうか。まあ、『ブギーポップは笑わない』あたりをとりあえず勧めておくのが礼儀な気はします。相手のことを何も考えないのなら、≪ケイオスヘキサ3部作≫なのですが。

4.いちばん好きなライトノベルを一冊
秋山瑞人猫の地球儀
小説を読んであれだけ泣いたのは、後にも先にもこれだけ。今、読み返すと粗もそれなりにあるのだけど、それでも。

5.いちばん好きなライトノベル作家を一人
意表を突いて、新城カズマ、とか。あの装飾過剰な文体は癖になります。


6.あなたの好きなイラストレーターを一人
松尾たいこ奇想コレクションを揃えている理由の三割は、あの装丁に拠っています。

7.あなたの好きな漫画をひとつ
ひぐちアサ『ヤサシイワタシ』
時期的には新生賞とったんだから『おお振り』を挙げるべきなんでしょうが。ヤエさんな自分と、ヤエさんに振り回されたく思っている自分と。とにかく“イタイ”作品。

8.あなたの好きなアニメをひとつ
プリンセスチュチュ。幼児向けの皮を被った残酷童話。フィナーレは、今見ても泣ける。

9.あなたの好きなゲームをひとつ(エロゲは除外)
タクティクスオウガ。弓に始まり、弓に終わるゲーム。或いは、ペトロクラウド。ストーリーは中ニ病患者御用達って感じかも。カオスルート第3章のサブタイには痺れた。

10.あなたの好きなエロゲをひとつ(全年齢対象のギャルゲも含む)
Fate stay/night。つーか、型月以外マトモにやってない。


11.あなたの好きな小説をひとつ(ライトノベルは除外)
北村薫『スキップ』
ベタですまん。

12.あなたの好きな映画をひとつ
ドッグヴィル
余り映画は見てきてないので、ここ数年で衝撃の大きかったものを。エグイよね、これ。高校生あたりに見せてトラウマにさせたい。

13.あなたの好きな楽曲をひとつ(クラシック音楽は除外)
ビル・エヴァンス『ワルツ・フォー・デビイ』
ジャズ入門のつもりで聞き始めたら、もうこれ以外聞く気が湧かなくなったくらい好き。

14.あなたの好きなクラシック音楽をひとつ
「Valse des Fleurs.」
ワルツつながり、というわけではないけれど。チャイコフスキーのバレエ組曲はどれも好きだけど、一曲選べといわれたら、これ。

15.あなたの好きなブログをひとつ
んーと、どこだろ。特にないかな。


16.もっとメジャーになってほしいと思うライトノベルレーベルは?
MF文庫J
アニメ化できそうな弾、ほとんど使い果たした感があるので、ぜひこのまま沈没しないで欲しいなー、と。

17.ライトノベルを食べ物にたとえると何だと思いますか?
はんばっが。

18.あなたがそうだと思うライトノベルの定義を5文字以内で答えてください
挿絵付小説。

19.こんな質問は「バカらしい」と実は思っている?
自分騙り大好きなので、そんなこと夢にも。

20.あなたがライトノベルから卒業するとしたらどんなとき?
好きな作家が全員死んだとき。縁起でもありませんが。

『空ノ鐘の響く惑星(ほし)でⅨ』渡瀬草一郎

空ノ鐘の響く惑星で〈9〉 (電撃文庫)

空ノ鐘の響く惑星で〈9〉 (電撃文庫)

ああ、おもしろいなあ。話としてももちろんおもしろいけど、それとはまた別に、外枠は王道の戦記ファンタジーなのに、通底している考え方は普通とは逆、ってあたりが。
今回、明かされたラトロア元首の目的――すなわち、管理された平和よりも、自由を選ぶ――って、普通主人公側の考え方に近い。メインターゲットである中高生が、どうしたって管理される側にあるわけで、それを考えれば、普通はそうした支配から逃れる話の方が多くなるのも道理なわけだけど。
けれど、空鐘では、停滞と一体の平和が肯定的に描かれ、破壊と裏腹の変化が否定的に描かれる。いわば、「終わりなき日常」の肯定? って、日常の終わることを知る異世界ファンタジーでそれを言うのは余りに的外れか。閑話休題。まあ、平穏を乱すものを否定的に描くってのは当然といえば当然、なんだけど、管理者の存在まで許容しているのは、勧善懲悪の物語ならともかく、価値観の多様性を認めるこうした作品においては割と珍しい気がする。
でも、そういえば、渡瀬作品の歴代の主人公って、みんな、強い力を持っているけれど、それを活かそうとしない、という少年向けの作品としては妙に枯れた人物造形の人間ばっかりなんだな。そう考えると、こういう舞台設定は必然なのかも。いやまあ、これからフェリオが王奕となる可能性は捨て切れないけど、それはむしろ、リセリナ父っぽいんだよなー。
ま、戯言でした。なんか最近『百億千億』読んでたら、ちょうどそんな話だったもので。
えーと、本筋としては、アルセイフ関連の人間関係を総浚い的な、割とパタパタとした片付けっぷり、なんとなくラスボスっぽい仮面の男の登場、そして、三角関係の深化、とインターミッション的な内容の割に盛り沢山といった感じで、大変に美味しゅうございました。ただ、あれをああいうふうな形で処理してしまうのは、いろいろ勿体無いかな、という気はしましたが。
ともあれ、次巻が大変に待ち遠しい。
評価:B−

『がるぐる!』成田良悟

がるぐる!〈上〉 (電撃文庫)

がるぐる!〈上〉 (電撃文庫)

なんだかんだ言って、キャラ作りとその組み合わせ方はうまいよね、という。基本的には、伏線を張り巡らしての準備段階、ということで特に語ることはなし。
ところで、今回のメイン、雨霧八雲の設定どこかで見たなあ、どこだっけなあ……と唸ってたら思い出した。時間を引き伸ばして感じることが出来る、そしてダンサー、まんまスバル・ミヤモトじゃん! つまり、最後はボレロ踊ってみんなゾーンに連れてって、最後「はたらくって大変だね」といって、マナちゃんを震撼させるわけですね!(違
以上、妄想終わり。ともあれ、下巻が楽しみ。
評価:C

『WORKING!!』高津カリノ

WORKING!! 1 (ヤングガンガンコミックス)

WORKING!! 1 (ヤングガンガンコミックス)

変人しか出てこないファミレス4コマ。おもしろいんだけど、特にいうことはないかな。いや、本当に面白いんですが!