『ミッションスクール』田中哲弥

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

ミッションスクール (ハヤカワ文庫JA)

最高傑作級〜〜〜っ!!*1
まさかのやみなべ復刊*2から、まさかまさかの新作発表。
発売日に店頭で発見したときはいやまさかそんなことはなどとぶつぶつ呟きながら、ああそういえば今日は久しぶりの晴れ間だからなあ光の加減で見間違えたかなあよし目を瞑ってからもう一度見てみよう、せえのと思って目を瞑ってもう一度見てみたがやっぱり変わらずそこにあるので目が悪いんじゃないのかだったら頭かあそれは困るなあ大変だなあでも何も分からないのもそれはそれで幸せかもなあと哲学的思考に思いを馳せたところでレジの人に「693円になります」と言われたのでお釣りの307円を受け取って店を出た。屋内なんだから光の加減も何もなかろうに。
帰ってから早速読む。ところでどんな話かさっぱりわからずに買ってきたので、さてどんなものかと裏表紙を読んでみるとどうやらスパイものらしい。それだけじゃなくホラー、ファンタジイ、アメコミ、純愛ロマンでもあるらしい。なんと複雑な、詰め込む要素が少し多すぎるんじゃないかなあと思ったがそんなはずもなくただ単に短篇集であった。当たり前だ。
基本的に各篇は独立していて、学園を舞台にしているという以外は共通点はない。ああ、あとそれと可愛い女の子が出て来るけど、それは共通点ってほどではない気がする、するのだがやっぱりそれは重要なことに思うのでもういっかい言う。脚の綺麗な可愛い女の子が出ています。いや脚が綺麗なのは大久保町の方か、でも脚の汚い可愛い女の子は想像できないしなあ、いやもしかしたらいるのかもしれないけど、可愛い女の子は脚が綺麗って言ってもいいような気がするよなあ違うかなあ違くないよなあよし言ってしまえ。脚の綺麗な女の子が全篇に渡って活躍していてそれはもう幸せな気分です。
話としては、男の子が可愛い女の子と出会ったり幼馴染だったりしていろんなことがあって大変な目に遭うんだけど最後にはハッピーエンドでまあよかったなあ、うんうん。といういつもの感じなんだけど、いつもにましてハチャメチャで整合性とか気になる人は気になるんだろうなあ、とは思ったりした。たとえるならラファティに新喜劇を延々と見せてトリップさせた感じ、という評を思い付いたけど、ラファティ大して読んでないのでこの評が正しいのかちょっとわからない。
実は構造はやみなべと同じく最後の「スクーリング・インフェルノ」でまあ無理矢理というか、とりあえずというか、なんとなくまとめてみましたという、そんな感じなのだがやみなべ以上に緩い纏め方で、でもまあ、語り口がいちばんの魅力なのでげらげら笑いながら読むといいと思います。でも、最後にはちょっと切なくなったりもして。


ともかく、傑作なので買って読むように。なにせ傑作です、傑作。世間ではハルヒかもしれないけど、放っといても売れるハルヒより、放っといたら絶版になりそうなミッションスクールを買うべきだと思いませんか。なにもここまで傑作を連発しなくてもいいかもしれないけど、そもそも読む人少なそうだから褒め殺しでもいいじゃあないか。というわけで、傑作です、傑作。

*1:一度、やってみたかったw

*2:ていうか、古本でやっと入手してすぐに復刊決定ってどんないやがらせだこのあほぼけおたんこなすぅと毒づいたところでもう遅いのでした。