『解体諸因 (講談社文庫)』西澤保彦

解体諸因 (講談社文庫)

解体諸因 (講談社文庫)

流れ的にうちにある匠千暁シリーズを片付けようと思い。とはいえ、これ以外は持ってなかったりするのですが。
9つのバラバラ殺人事件という括りの短編集。どこかの解説でも触れていた通り、まだこの頃はシリーズキャラクターとして余り想定していなかった所為か、少しキャラが違うという感じ。
トリックも何とも微妙なセン。読んでいるときには確かに納得もするし驚きもするのだけど、読後もう一度考えてみると些か無理がないか?と疑問に思うというか。最終因「解体順路」あたりの人を食った結末は好きではあるのだけれど。相も変わらず、厭な人間の描き方は実に巧いあたり、三つ子の魂百までという気がしないでもない。
つまらなくはないけど、あえて読む必要もない、というとさすがに言い過ぎかな。でも、やっぱり人に勧めようという気はそんなに起きません。
評価:C−