壁井ユカコ『キーリ』

中途半端に昔めなライトノベルを読んでみようその1。*1第9回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞作。って、これまだシリーズ続いてるわけだから昔ではないなw
で、困った。つまらないです、これ。
あらすじ。霊感が強く幽霊の見える少女、キーリはある日、<不死人>であるハーヴェイ、ラジオに憑いた憑依霊の兵長と出会った。常日頃、通っている寄宿学校に居心地の悪さを感じていた彼女は、彼らの旅について行くことに。果たして旅の果てにあるものは――。
一読の印象としては、『キノ』に一本筋を通した感じの連作短編。ただ、あちらが基本的にアイデアストーリーであるのに対して、こちらはストーリーライン重視。なのはいいのだけれど、どうにも描写が淡白で盛り上がらない。文章自体のレベルは決して低くない、どころか及第点ではあると思うけど、それだけで読ませるほどでもなく、正直読んでて眠くなってしまった。
キャラクターも弱い。ハーヴェイは永い時を過ごしてきた、その辛さがいまいち感じられなかったし、キーリもあまりに普通で何もコメントが浮かばないくらい。期待していたラジオの兵長も、物語を引張るにはちょっと弱い。せめて、ベッカがいれば違ったのになあ、とないものねだりをしてみたり。
そんなわけで、どうやら私には合わなかったようです。残念。
評価:D。

*1:ただ単に、先日来た友人のエヌ氏が置いていってくれたためで深い意味はありません