『夢みる宝石 (ハヤカワ文庫 SF 365)』シオドア・スタージョン
- 作者: シオドア・スタージョン,永井淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/10/31
- メディア: 文庫
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ああ、スタージョンだなあなんてのたまえるほど著作を読んでいるわけじゃないけれど、それでも言いたいので言ってしまおう。ああ、読めば読むほどスタージョンだよなあ……。さて、その自分の思うスタージョンっぽさというのは、突飛な発想・なのに結局やりたいのはラブストーリーなのかよ!・しかも最後にきちんとメッセージがあるんかい!といった要素のことを指していたりして、ちゃんと読んでいる人には噴飯ものな気もするけど、まあ俺はそういう認識なのだと取り敢えず思い流して欲しい。まあ、あとは主人公の描写とかヒロインの在りようだとかもあるのだけれど、俺が言語化できないのでそこはまあ分かってください。きっと人と人とは理解しあえるよ!(…。)ところで、結局この作品について少しも言及していない気もするからここら辺で本筋に戻る努力をしてみようと思ったところで、印象は他の作品と似通っているので改めて言おうとするとたいそう難しいのであった。まあ、少なくとも『人間以上 (ハヤカワ文庫 SF 317)』よりは分かり易いと思ったのでそういう意味で入門としてはいいのかなーと愚考するわけだけれども、でもこれ絶版なのよねと言うことで俄かには勧められなかったりするジレンマ。図書館で借りましょう。
評価:B+
『ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫)』日日日
- 作者: 日日日
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2005/02
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「あたしらの高校にはナント吃驚『高校七不思議』みたいなモンが伝えられてるみたいなんだよね、いやいや怪談とかではよく聞くけれど生で七不思議に触れたのは初めて。あたしは猛烈に感動している。感動しすぎて髪の毛逆立っちゃった」
不可解な体構造している奴である。
ちーちゃんこと歌島千草は、僕のお隣さんで幼馴染。そんな彼女は、幽霊好きで怪談好き。いつも振り回されっぱなしな僕は、それでもそんな平凡な日常を愛していたし、いつまでも続くと思っていた――あの時までは。
文章が若いなあ、という印象。誰かがどこかで言っていたけど、アクの無い西尾っぽい感じが確かにあって、読んでいて心地よい饒舌体ではあるのだけれど、それがなんか中身を薄めてみました的感覚を個人的には感じたわけで。それはまあ暴論としても、何となく閉じた世界だなあとは思う。読んでいて自分の世界と地続きという感じがあんまりしないのだ。それはきっと一人称という表現の仕方の弊害なんかなとも思うけど、どうも視野狭窄な感じが拭えない。まあでも、それは好みかも知れずと思考放棄したところで、結局面白いかどうかというところを考えると、これが確かに言われるだけあって面白かった。困ったものである。いや、別に困らないけど、実におれ好みのヘンな話なのだ。ともかく、だからうだうだ言ったところで粗探しにしか過ぎんのかなとも思うわけで、むしろ才能の伸びしろがあるだけ将来性あるじゃんと前向きに捉えてみよう。でもなんか、いまいち手放しで褒められないんだよなー。ま、続刊読んで判断しよ。
評価:B−
『よくわかる現代魔法 (集英社スーパーダッシュ文庫)』桜坂洋
- 作者: 桜坂洋,宮下未紀
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2003/12
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ものにぶつかったり、なにもないところで転んだりするのがこよみは得意だ。十五になるこの年まで、バンソーコーを持ち歩かなかったことはない。
あらすじ。ドジで何をやっても中途半端な森下こよみは、自分を変えようと「あなたも魔法使いに!」などと書かれた怪しげなチラシに導かれて、現代における最強の魔法使い美鎖と出会う。なんやかやあって、現代魔法を習うことになるこよみだが彼女の魔法はヘンなふうに発動してしまい――。一方、ネットワーク上では謎の魔法が発動し始めていた……。
えっと、「『現代魔法』は2巻からだ!」なんて風評を聞いて覚悟していたのですが、案外普通に楽しめてしまいました。
本作のミソは、魔法をコンピュータのプログラムと同様なものと設定したところで、「高度に発達した科学は魔法と同じだ」なんて誰かの言ではないけれどある意味でそれを地で行っているところ。まあたぶん、それが活かせていないところが評価が低いところなのかなー、と推察するのだけれど何分読書に関しては悪食なため自信はない。ライトノベルに関しては特に評価甘いし。一方で登場人物の設定なんかはあざといというかステレオタイプの域を出ないものであって特筆すべきところはなかったりするのだけれど、ズボラなお姉さんは好きですかはい好きですと即答できる自分にとっては満足できてしまうあたりダメ人間だなあと思う。あと、ドジっ子も好き。文章的には引っかかるところは余りなかったので、まあ及第点でしょう。
少なくとも次刊に期待できる程度の出来ではあったと個人的には感じられました。
評価:C+
『神戸在住⑦』読了報告
泣いた。