『魔法の眼鏡』ジェイムズ・P・ブレイロック

魔法の眼鏡 (ハヤカワ文庫FT プラチナファンタジイ)

魔法の眼鏡 (ハヤカワ文庫FT プラチナファンタジイ)

いまいち、しっくり来なかった。というか、絶対に子供向けなんかじゃねえ。
内容も、子供向けを意識してのシンプルなストーリーと、全編に漂う(ユーモアを上回るほどの)ペーソスが、いまいち噛み合わずにどっちつかずな印象に。魔法の眼鏡をかけると自分の部屋の窓が異世界へと通じる窓に、とか、月まで届く梯子(スパイラル・ラダー!)とか、ヘニー・ペニー人とか、つやぴかのドーナツとか、総じて道具立ては悪くないだけに、内容の空き具合が惜しい。テーマ自体が、いいところも悪いところも含めてあなたなんだ、というありふれたものであるからこそ余計に。


評価:C