『サマー/タイム/トラベラー2』新城カズマ

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA)

「〈プロジェクト〉よ」
饗子のこの一言で、ぼくらの夏は始まった。より正確に言うなら、誉れ高き伝統あるマラソン大会のあの日、悠有がゴールテープを切らずにゴールした時から全てが始まったんだ。テレポーテイション、時空間跳躍、「悠有の素敵な超能力」。非建設的な努力が本質の〈プロジェクト〉にはうってつけのテーマ。最初は誰も真面目に考えてなんかいなかった計画はけれど、悠有が跳んだ瞬間を目の当たりにしたことで一層の熱を帯びることになった。
――そう、そのときのぼくらはその先に何が待ち受けているかなんて知るよしもなかったんだ。それが悠有と過ごす最後の夏になるなんてことは。

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