『私の優しくない先輩』日日日

私の優しくない先輩

私の優しくない先輩

誰か、校正する人はいなかったんか?
なんだろう、読んでる間ずっと首を傾げながら読んでました。別に山田某の人ほど壊滅的ではないんだけど、所々(あくまで主観だけど)単語レベルでの選択ミスが目に付いて。大抵は、気取った言葉を使おうとして滑っているのだけれど。決して悪くないのに、そこでいちいち物語世界から引き離されてしまう。まあ、目を瞑れないほどのミスではない、とは思うんだけどね。
話自体は、陳腐ではない程度にありきたり。一言で言えば、難病物の変奏です。主人公たる恋する少女、耶麻子があんまり儚げでないあたりは新機軸かもね。その所為かどうか、地の文と会話文とで乖離がみられるのがチト難点。そもそも、彼の饒舌体は普通の恋愛小説と相性が悪いだけ、という気もしますが。ゼリービーンズがショッキングピンクでも驚かないけど、チョコレートがそうだったら、さすがに面食らう。そんな感じ。
とはいえ、ラストは素直に泣けました。普通によかったと思うよ。掛け値なしに、感動したといってもいい。文句をつけようと思ったら、まだいくらでもつけられるけれど、個人的には割と肯定しているつもり。うん、悪くはなかったです。
評価:C−