『ジャクソンヴィルの闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 213-4))』ブリジット・オベール

みんな大好き、黒光りして脂ぎった平べったいあの虫がたくさん出て来るお話。
一言で言ってしまえば、ニューメキシコ『屍鬼』をやっているようなものなのだけれど、とにかく過剰。いろいろ詰め込み過ぎ。ノリは完全にB級ホラーのそれで、展開も早い早い。もう少し恐怖を煽るような描写を積み重ねても、とも思うけれど、これだけ楽しませてくれれば文句はありません。というか、そこが逆に狂騒的な雰囲気を醸し出しているので、むしろ推奨の方向です。また、何気に真相について一捻りあったりして、そうした部分は別になくてもいいとか思ってただけに、素直に感心した。常に(かなりブラックながらも)ユーモアを忘れないあたりも、いい感じ。
ゴキブリと蛆虫と死体に嫌悪感を覚えない人にオススメ。
評価:C+