『デュラララ!!×2 (電撃文庫)』成田良悟

“首なしライダー”の事件から約1年、池袋はまた不穏な空気に包まれていた。街に増え始めた黄色いバンダナを巻いた黄巾賊、セクハラ疑惑の教師、5年の時を経て再来した池袋の切り裂き魔――。連続通り魔事件は、自分の立ち位置に悩む女子高生、3流雑誌記者、池袋最強のチンピラ、そして首なしライダーをも巻きこんで……。
なかなかよろしいんじゃないでしょうか。いつもながら群像劇をきちんと纏め上げる構成力は感心しきりだし、前回スポットがあてられなかった杏里とシズちゃんをメインに据えてくれたのも嬉しい。おざなりだったからなー、前回は。その意味で、キャラを増やさなかったのは正解ですね。あー、あとセルティと新羅の惚気っぷりは微笑ましくてニヤニヤしてしまったよ。
ただね。
薄っぺらいトラウマ描写、奇人変人に感情移入するには足りない筆力*1、などなど今回はマイナスの方が気になってしまった。まあキャラクター造形自体は大好きだし、そいつらが普通の思考回路してた方が萎えるんだけどね。うーん、痛し痒し。
あ、でもラストで示唆された今後の展開は素直にすごく楽しみ。やっぱり燃えるね、ああいう展開は。まあ、次巻に期待ということで。
評価:C++

*1:というか、なんでそういう結論になるのか、感情の流れがよくわからない……。俺の読解力が足りないんかな?