『魍魎の匣』京極夏彦

文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

良くも悪くも、長さを感じさせないといった印象。１千頁を超えているとは思えないほどするするさくっと読めるけど、逆に大作を読んだという気がしないというか。や、面白かったんですけどもね。
それには、犯人が結構簡単にわかってしまったってのがあるのかも。もちろん、そういうトリックとかを求める作品でないのはわかっているのだけどもね。そこはもう、新本格の呪縛というか。最後には何がなんでもサプライズがないと満足感が感じられないのは、自分でも色々損してるとは思うのだけども。
個人的には、作中作のほうが本編より面白そうと思ったんだけど、それは作品の評価としてプラスなのかマイナスなのか。まあ、書いている人は一緒なんだからプラスでいいのか。
ところで、全く個人的なことで恐縮だけど、作中で展開される殺人の動機に関しての云々に既視感があるのだけど、どこで読んだンだっけかなー。その部分で微妙に興が削がれてしまって損した気分になった所為で、妙に気になる。似た理論展開してる別作品、羅列してくれる人募集。誰か、私の喉に刺さった魚の骨を取り除いてくださいｗ