『月の骨』ジョナサン・キャロル

月の骨 (創元推理文庫)

月の骨 (創元推理文庫)

読了。
あらすじは省略。気になる人は自分で調べるように(えー
死者の書』でも思ったけど、この人は本当にラブストーリーを書くのが上手いなあ。ロマンチックに過ぎるきらいはあるけど、普通に憧れる。だがしかし、書いているのはジョナサン・キャロルなのである。つまり、この幸せは崩壊するためにあるのだ。いうなれば、ジェットコースターで段々と頂上へとじりじりと上っていくのと同じ。てっぺんまで行ったが最後、あとは落ちるだけ。
で、今作なのだが……
足りないっ。もっと! もっと、マイナス方向のカタルシスをっ!
確かにラストはドキリとしますが。うーん、いまいち終わり方がハッピーエンドに過ぎる。ロンデュアの描写なんかはいかにもファンタジーっぽくて、良いんだけどね……。後味が良過ぎ。もっと絶望的なラストが良かったなあ……。