いまだピコピコ中

実は昨日の時点で既に読んでいたのだけど、YMCKに琴線わしづかみされていたので書けなかったのです。
それはともかく。
えーと、とりあえず、あらすじ。
ジョウント効果と呼ばれるテレポーテーションの開発によって、大きく変貌した世界。ジョウント効果は富と共に、窃盗や暴力をもたらす諸刃の剣であった。そんな中、平凡な男であったガリヴァー・フォイルは、遭難事件をきっかけに復讐に生きる追跡者となった。果たして、彼は復讐を達成できるのか、そして、彼に隠された秘密とはっ!
てな感じでしょうか。とはいっても、この話、かなり混沌としていて複雑なので言い尽くせてない気がひしひしとしますが。
ともかく、わかりづらいっ! 何がって、感情の流れが。なんでいきなり態度がそんなに変わってるの?みたいなところが多い。置いてけぼり食らうこともしばしば。それでも基本的な話の軸が復讐から外れないので、話を見失いまではしないのですが。
SF的なガジェットに関しては割と贅沢な使い方をしていて、テレポーテーションを始めとして、精神感応やら電磁波や赤外線を視覚情報として受け取る目とか、もう盛りだくさん。何もそこまで詰めこまなくても、という気がしないでもない。というか、あまり活かされてないものもいくつかあって、そこらへんが少しまとまりを損ねているかなあ。
とまあ、読みながら「あー、これはいまいちかなー」と思ってたわけですがっ。最後でやられた。えーと、一応伏字の方がいいかな。音を光と、動きを音と、色彩を苦痛と、触感を味と、匂いを触感として受けるというイメージがとにかく圧巻の一言。めくるめく読書体験ですわ。これだけでこの本を読んだ甲斐があったというもの。
正直、分かりやすくはなかったし、キャラクターに一貫性があまりないし、かなり力業なストーリー展開であるけど、圧倒されるものがあるのも確か。解説によると「十年に一度の傑作」らしいので、興味を惹かれた方は読んでみては。