『ラヴクラフト全集①』H.P.ラヴクラフト
- 作者: H・P・ラヴクラフト,大西尹明
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1974/12/13
- メディア: 文庫
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あー、なるほど。そりゃ『パラサイト・ムーン』*1がクトゥルフ改変ものと言われる訳だわ、と明らかに変なところで納得。
以下、それぞれの作品ごとに二言三言。
- 「インスマウスの影」
何といっても、異形なものたちの描き方が素晴らしい。語らないことによって語っているとでも言ったらいいか。五感全てを使っての気味悪さの演出も上手い。段々と追い詰められていく感覚もたまらない。そして、最後が秀逸。やはり、ホラーのラストはこうでないと。
- 「壁のなかの鼠」
収録作の中で、個人的にはいちばん好き。この語り口であのラストで合わせ技一本、といった感じ。他と比べて絵的に想像し易い分、ショックも倍増。合理的に解釈も出来るあたりのさじ加減も絶妙。
- 「死体安置場にて」
なんというか、都市伝説っぽい。オチのつけ方とか。つまらないわけじゃないけど、凡庸。
- 「闇に囁くもの」
主人公がアリジゴクに自ら入っていくのが楽しい。作中、突っ込みっぱなし。「気付けよ!」みたいな。いや、しっかり恐いんですが。手紙の内容が段々と追い詰められていくところとかね。ラストは……どうなんでしょう? もう少しぼかしたくらいの方が良かった気はします。
いや、大変に楽しかった! 5点満点で4.5点くらい。いや、まあ今更私ごときが言うまでもないんでしょうが……。つうかですね。こんなヘボ感想読む暇あるなら、さっさと読んだ方がいいですよ。いや、まじで。